最近笑っていますか?

僕は高校の時にロビンウィリアムス主演の実話を元にした映画「パッチ・アダムス」を観たとき心から感動しました。主人公のモデルであるハンター・キャンベル・アダムスは実在の人物で、笑いは人を癒す力があると提唱する米国の現役医師です。興味のある方はまずこちらをご覧下さい。

“You treat a disease, you win, you lose. You treat a person I’ll guarantee you’ll win.”

病気を治療すれば成功することも失敗する事もある。人を治療すれば必ず成功すると私は保証する。

                                                                                                      – 映画 パッチ・アダムスより

アメリカで行われた実験をご紹介しましょう。

高齢者を次の3つのグループに分けます。グループ1:糖尿病を持っているグループ。グループ2とグループ3:健康な人たちのグループ。全てのグループの高齢者には記憶力テスト(画像認識、学習能力、記憶想起)を行うのですが、グループ1と2はテストの前に20分間のコメディのビデオを見せます。グループ3はそのままテストを受けてもらいます。また、参加者全ての血中コルチゾールの量を実験の前後で比べました。

コメディのビデオを見たグループ1と2はグループ3と比べると血中コルチゾールの量が大きく低下していて、さらに記憶力テストのスコアも高かったという結果が出ました。

この研究のリーダーであるDr. Bainによると、「ユーモアは、コルチゾールのような脳の記憶を司る部分に悪影響を与えるストレスホルモンを低下させ、血圧を下げ、血流を促進する効果がある」「ユーモアを楽しむ事で脳内に快楽をもたらすエンドルフィンやドーパミンが増える」「これらの脳内物質はガンマ波を助長して記憶力を高める効果があるのではないか」とし、「笑いは良い薬となるだけでなく、記憶力の向上にも役立ち、生活の質の向上につながる」と述べています。

コルチゾール

副腎皮質ホルモンの一つで、別名ストレスホルモンとも呼ばれています。体の代謝にとって非常に重要なホルモンです。強い抗炎症効果がありますが、長期間にわたってコルチゾール値が高い状態にあると脳の記憶を司る部分である海馬を萎縮させてしまうことが分かっています。

 

笑うという行為自体が人間特有です。せっかく人間に生まれたんですから笑いましょう。それで少しでも健康になり、記憶力も維持できるなら言う事ありませんよね!

 

参考文献
Fight Memory Loss with a smile (or chuckle)
http://www.newswise.com/articles/view/616871/