ビタミンE(別名:トコフェロール)には2つ種類があるのを知っていますか?
アルファ・トコフェロールとガンマ・トコフェロールです。

菜種油(キャノーラ油)、コーン油、大豆油などに含まれるビタミンE(ガンマ)は肺の機能に悪影響を及ぼすのではないか?という疑いがあるようです。それに対し、オリーブオイルやひまわり油に含まれるビタミンE(アルファ)は肺の働きを助ける効果があるようです。同じビタミンEでもその化学構造の違いから効果にも違いが出てしまうようです。

ビタミンEは動物油や植物油など様々な原料からとれます。ビタミンEのサプリメントに使われているのは製品によって特定の原料から抽出したものもあれば、色んな原料を混ぜてあるものまで様々です。

ビタミンEは抗酸化作用があり、健康な心肺機能や神経機能を保つために必要とされていますが、今回の研究ではガンマ・トコフェロールは肺に悪影響を及ぼす可能性があるという結論に達したようです。特にぜんそくにはマイナス効果である可能性が高いそうです。

サプリメントに本当に効果があるのか?というテーマの研究は星の数ほどあります。ビタミンEのサプリメントについても同様にたくさんの研究がなされていますが、効果がある!とされるものも効果は無い!と主張するものも混在していて消費者の立場から判別するのは非常に難しいといえます。

今回の研究で明らかになったアルファとガンマの違いを元に本当にビタミンEサプリメントは有効なのか?有効であるならば何に有効なのか?考えられる副作用や危険性は無いのか?はっきりしてもらいたいものです。

Dr. Clifford W. Bassettは論文中で”興味深いのは、ビタミンEのサプリメントを飲んでいる人の大多数はそのビタミンEが何から作られたものか考えもしないことだ”と述べています。今サプリメントなどを”医師や友人から言われるがまま”に飲んでいる方がいたら、それは何でできているのか?ということぐらいは最低限知っておいた方がいいと思います。

情報ソース

The vitamin E isoforms α-tocopherol and γ-tocopherol have opposite associations with spirometric parameters: the CARDIA study

http://respiratory-research.com/content/15/1/31