瞑想が流行っています。瞑想(メディテーション)は色々な国で古くから行われていて、宗教とも密接な関係があります。近年非常に注目され、大手の企業の社員研修などにも積極的に取り入れられていますが、科学的に見て一体何がいいんでしょうか?
1. 脳細胞の老化を遅らせる。
アメリカとオーストラリアの研究によると、瞑想を長年(平均20年)やっている人は脳の灰白質(脳の中で、考えたり、記憶をしまっておく部分)の老化による収縮が小さいことがわかりました。このことから、瞑想を生活に取り入れると脳が若いのでは?という結果になりました。
2. 睡眠の質が上がる。
55歳以上の不眠症の人たちに瞑想をさせたところ、睡眠の質がグッと良くなったという研究があります。睡眠の質が向上するのにかかった平均時間は6週間でしたので、やはり日常的に短い時間でもよいので瞑想をするのは有効のようです。
3. モンキーマインドを止めることができる。
モンキーマインドとは心が散漫な状態のことをいいます。色んな考えが次から次へと頭の中に浮かんで落ち着かない様子で、極端に忙しかったりストレスを上手に発散できない人が陥りがちな状態です。瞑想をすることで脳のガヤガヤした部分を落ち着かせることができ、頭の中を静かにすることができます。うつや不安症の治療にも瞑想が取り入れられているのも頷けますね。
4.痛みを和らげる効果がある。
瞑想を日常に取り入れている人は、そうでない人に比べて痛みを感じにくいけれど、痛みを司る脳の部分はよく働いているそうです。これは一見矛盾しているように見えますが、瞑想によって痛みをブロックするのではなく痛みに対する負の反応を小さくする能力があるということではないか、と研究者は指摘しています。慢性的な痛みは痛みへの負のイメージや恐れなどによってさらに増幅されるケースがあることから、瞑想によってそれが解消される可能性は大きいと期待されています。
5.集中力アップ!
瞑想のトレーニングを1日に2時間、8週間受けたグループとそうでないグループを比較したところ、集中力がアップし、特にマルチタスク(様々な課題を同時に行うこと)や問題解決の効率も上がったという結果になりました。また、この研究によって明らかになったのは、集中力が増したという頭の中の出来事だけでなく、身体的にも作業効率が増したということです。精神と肉体は一つなんですね〜。
今、このような研究が世界中の大学や研究機関で行われています。知れば知るほどスキがなく、また可能性の大きな手法だと思います。私も個人的に5年ほど前から定期的に瞑想をしていますが、”慣れ”ることによってさらに短時間で効率良く瞑想をすることができるようになったという実感があります。
また別の機会で瞑想のやり方をご紹介できたらと思います。
参考資料:
1. Forever Young(er): potential age-defying effects of long-term meditation on gray matter atrophy
http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fpsyg.2014.01551/full
2. Mindfulness Meditation and Improvement in Sleep Quality and Daytime Impairment Among Older Adults With Sleep Disturbances
http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2110998
3. Meditation experience is associated with differences in default mode network activity and connectivity
http://www.pnas.org/content/108/50/20254.short
4. Mindfulness meditation-related pain relief: Evidence for unique brain mechanisms in the regulation of pain
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304394012004806
5.Mindful multitasking: Meditation first can calm stress, aid concentration
http://www.washington.edu/news/2012/06/13/mindful-multitasking-meditation-first-can-calm-stress-aid-concentration/