日々お客様と接している中で感じることがあります。

 

還暦を過ぎたあたりから、人によって年を取るスピードが全然違う。

 

50代と言っても通じそうな70代の方、そして逆の方も・・・。

 

若いなぁと思う方に共通して言えるのは、”楽観的である””趣味がある”、そして”運動をしている”ということです。

 

今週のNeurologyオンライン版で発表された研究によると、普段から運動をしている人は脳が若いということが明らかになりました。これは平均年齢71歳の男女、合計876人に対して行われた聞き取り調査から始まりました。

聞き取りの結果、

876人のうち90%が簡単な運動かもしくは全く運動しない人たち。

残りの10%がランニングやエアロビクスなどの運動をする人たち。

 

最初の聞き取り調査から7年後、被験者に対して記憶と思考能力を測るテストとMRIの画像診断を行い、さらにその5年後には記憶と思考能力テストをもう一度実施しました。その結果、90%の軽い運動か全く運動をしない人たちは、最初の聞き取りの時点では何も問題が無かったにも関わらず、運動しているグループに対して脳が平均10年も年を取っていたことがわかりました。

特に機能が低下していたのは次の2つです。

①情報処理のスピード
与えられたテストをどれだけ速く終えられるか

②エピソード記憶
買い物リストなどの日常に必要なものをどれだけ覚えていられるか。また、時間や場所やその時の感情なども含まれる。

 

上記のどちらも普段生活する上では必要不可欠な能力です。

 

この他にも、運動が脳に良い理由は近年の研究でどんどん分かってきています。

・運動をすると脳の海馬(記憶を司る部分)が肥大する。

・運動はストレス解消に良い→ストレスによる脳のダメージを軽減

・運動をすると創造性が向上される

 

せっかく長生きするなら健康に。心からそう思います。

 

これからもどんどんエクササイズの重要性が明らかになっていくでしょう。

 

参考文献

http://www.neurology.org/content/early/2016/03/23/WNL.0000000000002582.short
Leisure-time physical activity associates with cognitive decline
Published online before print March 23, 2016
doi:http:/​/​dx.​doi.​org/​10.​1212/​WNL.​0000000000002582
Neurology 10.1212/WNL.0000000000002582