私はお酒をほとんど飲めません。
人からは色々言われてきました。
「人生の半分は損してる!」
「全然そんな風には見えない!」(これは外見の話)
「ちょっと飲んだほうが体にいいよ!」
その、ちょっと飲んだ方が体にいいって誰が言いはじめたんでしょうか?
Journal of Studies on Alcohol and Drugsに掲載された研究で、適量のアルコール消費が体に良いとしている87の論文を精査したところ、その根拠が疑わしいということが分かりました。
多くの論文では適度に酒を飲む人(1日に1、2杯程度の量を飲む人)と酒を飲まない人(現在は飲んでいない)を比較しています。
酒を飲まない人に関しては、もともと飲まない人なのか、病気などの理由で飲むのをやめた人なのかが曖昧であることが大きな問題です。比較対象が曖昧であれば、そもそも適度な飲酒が体に良いという論理は成立しなくなってきます。
87の論文のうち、この比較問題をクリアしているのはたったの13でした。そして13の論文のうち、適度な飲酒と長生きの関連性を示すものは一つもありません。ちなみに最も長生きだった人のパターンは週に1回飲むか飲まないかというグループです。だったら、これはもはやアルコールは関係ないのでは?ということになりますね。。。
日本のアルコール依存症の人数はおおよそ230万人といわれ、これは愛知県の人口とほぼ同じです。飲めない人は”健康のため”に無理して飲む必要はなさそうです。
参考文献
http://www.jsad.com/doi/abs/10.15288/jsad.2016.77.185
Journal of Studies on Alcohol and Drugs, 77(2), 185–198 (2016).
Tim Stockwell, Ph.D.,a,d * Jinhui Zhao, Ph.D.,a Sapna Panwar, M.S.,b Audra Roemer, M.Sc.,a Timothy Naimi, M.D.,c & Tanya Chikritzhs, Ph.D.b,d