一言に運動といっても色々です。

 

テレビや雑誌などでもほぼ毎日のように◯◯式運動法、◯◯体操などが紹介されています。本当か嘘か知りませんが、どんな運動でもやり方を間違えなければ体にはいいと思います。でも、脳にもいい運動ってあるんでしょうか?

 

The Journal of Physiology(権威のある生理学の学会誌)でフィンランドのユヴァスキュラ大学がマウスを使って実験をした結果が発表されました。その中にどんな運動が脳細胞の活性化や増殖に効くのかのヒントがあります。

 

まず、大事な前提として、脳細胞は大人でも増えることが分かっています。大人の方も諦めないで下さい。

 

実験でマウスにやらせた運動は次の3種類。

①ランニング
トレッドミル(ねずみ車)の中で自由に走らせる。

②ウエイトトレーニング
マウスの尻尾に重りをつけて坂道を登らせる

③インターバルトレーニング(負荷を変えながら行うトレーニング)
改造したトレッドミルで3分間ダッシュ、2分間歩くを15分間

この3種類の実験を7週間続けました。

で、結果は次のとおり。

①ランニング ”かなり脳細胞が増加した。”
②ウエイトトレーニング ”脳細胞が少し増加。”
③インターバルトレーニング ”変化なし。”

 

というわけで、マウスの実験では、脳にいいエクササイズはランニングということがわかりました。ランニングとウエイトトレーニングはどちらも増加しましたが、ランニングの方がかなり増加量が多かったそうです。ちなみに、どうしてそうなるのかはっきりとは分かっていないそうですが、走ることによって脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が脳内で分泌され、それが脳細胞の増加を促進しているのではないかとしています。

 

また、脳細胞が増加した場所は”海馬”が一番多かったようです。海馬といえば記憶空間学習能力(ものの位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔をすばやく正確に認識する能力)を担当する場所でもあります。

 

この実験はマウスですが、人間にも同じようなことが言えるのかもしれません。ウエイトトレーニングだけしかやらない人、インターバルトレーニングだけしかやらない人は是非ランニングも加えてみてはいかがでしょうか?