実は、20歳になるまで玄米を食べたことがありませんでした。父親が白米以外は食べないの食卓に上らなかったというだけなのですが。生まれて初めて食べた玄米はぽそぽそしていてあんまり美味しくなかったように記憶しています。

 

そこで、玄米について少し書いてみようと思います。

 

玄米 V.S. 白米

玄米と白米の栄養価の違いは明らかです。白米は玄米から殆どの栄養素を取り去ったものといってもいいくらいです。それではどれくらい違うのかご紹介します。

 

お茶碗一杯分と言われている150グラムあたりの玄米は同量の白米に比べて・・・

 

食物繊維が9
カルシウムが2
リンが4
鉄が4
カリウムが4
ビタミンB1が5
ビタミンB2が1.5
ビタミンEが3
マグネシウムが12
亜鉛が1.5

 

だけど

 

糖質はわずかに少ない・・・。 *1

 

玄米を食べない理由が見つからないほどの栄養価の違いですね。

 

玄米は不味い?

玄米を食べない理由のNo.1は味ではないでしょうか。家庭用炊飯器の性能は年々進歩を遂げ、今は圧力をかけて炊くものや玄米専用のプログラムが入っているものも多数あります。圧力鍋で炊くとふっくらと普通のお米のようにしあがります。また、玄米機能が付いていない炊飯器でも玄米を10ー12時間ほど水につけておき、すこし多めの水で炊くとふっくら仕上がります。でも僕はプチプチした食感が好きなので浸け置きして普通に炊きます。

その他に玄米を食べない理由としては農薬の心配が挙げられます。白米よりも玄米の方が残留農薬が多いと一般的には言われていますが、玄米にせよ白米にせよ農薬の量は厳しくコントロールされているため、そんなに心配することはありません。気になる方は低農薬もしくは無農薬玄米を選んで下さい。個人的には玄米は美味しいと思います。白米よりも味に深みがあって飽きません。苦手な人は少しずつ白米に混ぜる分量を増やしながら慣らしていってはいかがでしょうか?

 

これから玄米を食事に取り入れる方には一つ注意点があります。それは、「よく噛むこと」です。上記のとおり、白米に比べておおよそ9倍の食物繊維を含む玄米は、お腹を下しやすい人が食べるとさらにお腹がゴロゴロ・・・。普通のご飯を食べるときよりもよく噛んで食べることで下痢になったりすることを防ぐことが出来ます。便秘の方には玄米食をお勧めします。

 

米ぬかが血圧を下げる。

玄米の周りの茶色い部分は”ぬか”です。ぬかの持つ可能性をご紹介します。高血圧にはACE阻害薬が広く用いられています。これはACEという酵素の働きを抑えることによって、血管を拡張し、脳梗塞や心臓病や腎臓病のリスクを減らす作用があります。しかし、咳やアレルギーやめまい、そして腎機能の低下(腎臓への負担を減らすために飲むのに・・・なぜ?)などの副作用があります。もし副作用の限りなく少ないACE阻害薬のような働きをするものがあったらどうでしょうか?答えは米ぬかにあります。

東北大学で行われた研究によると、高血圧のマウスに米ぬかを入れた食事を摂らせたところ、収縮期血圧(血圧の値を言うときに上と下って言いますよね。これは上のことです。)が20%も減少しました。この仕組みはACE阻害薬と全く同じ働きによるもだそうですが、何という成分がこの働きをしているのかはまだはっきりとは分かっていません。この他にも米ぬかの摂取によりLDLの値を下げたという報告もあります。*2

 

日本人の多くが一時は切り捨ててしまった玄米の可能性をもう一度見直す時のようです。

 

僕は20まで玄米を食べたことがありませんでした。しかし、逆に20までずっと玄米を食べていたら・・・ちょっと違う人間になっていたかも知れませんね(^^)

 

参考文献
1. 五訂増補 日本食品標準成分表
2. American Chemical Society (2006, March 3). How Nice, Brown Rice: Study Shows Rice Bran Lowers Blood Pressure In Rats. ScienceDaily.