今や日本のファミレスでは景色のように当たり前になったドリンクバーですが、肥満の増加を危惧したフランス政府はレストランでのドリンクバーを禁止することを決めました。

フランスの肥満対策が始まったのは2004年のこと。

2004年:学校の自販機を撤廃

2011年:学校の学食でのフライドポテトの販売を週1回に制限

2012年:ソーダ税を導入

2017年:レストランのドリンクバー廃止

これは肥満の増加になんとか歯止めをかけようとする必死の策です。みなさんもご存知の世界中に展開するファストフードの店がこの法律の対象となります。(日本では普通、ファストフード店のことをレストランとは呼ばないが、海外ではレストランと呼ぶことが多い。)このフランスの決定は、砂糖の入った飲料に税金をかけて肥満の増加を阻止したいWHOと同じ方向を向いています。

ちなみに2016年の6月の時点でのWHOの”肥満と太り過ぎ”の項目を見てみると、主要ポイントとして、
・1980年以降、全世界の肥満人口は2倍以上になった。
・2014年の時点で18歳以上の成人のうち19億人が太り過ぎで、そのうちのおおよそ6億人が肥満である。
・2014年の時点で18歳以上の成人のうち39%は太り過ぎで13%は肥満である。
・2014年の時点で5歳以下の子供のうち4100万人が太り過ぎもしくは肥満である。
・肥満は予防ができる。
とあります。
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs311/en/

アメリカや他のヨーロッパ諸国と比較すると、フランスの肥満人口は平均以下(18歳以上の大人で、フランスは15.3パーセント、EU平均は15.9パーセント、2014年調べ)であることをみても、将来に備えようとする思いが伝わってきます。

日本はどうでしょうか?

厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、平成27年の日本人の肥満の割合は肥満者(BMI≧25 kg/m2)の割合は男性29.5%、女性19.2%でした。(第2部 基本項目 第1章 身体状況及び糖尿病等に関する状況 1.肥満及びやせの状況より 外部リンク:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou.pdf)成人男性の10人に3人、女性の10人に2人は肥満ということに。…日本の方がよっぽど肥満の人は多いのです。

それでいて、どこでも飲めるドリンクバー。。。

この10年間で日本における肥満の割合は増加もせず減少もせずといったところですが、この先フランスのように考えなければいけない時期が来るのではないでしょうか。